共通論題 「今日の流通と食の消費者問題」
日本流通学会会員 各位
謹啓 会員皆様方におかれましては、益々御清栄のことと、お慶び申し上げます。
日本流通学会第17回全国大会を、下記の要領にて開催致します。会員諸氏の積極的な御参加を、お願い申し上げます。
日本流通学会第17回全国大会実行委員会
委員長 加 藤 義 忠 |
場所: 関西大学千里山キャンパス
【 日程 】
2003年10月24日(金)
10:00~16:05 個別報告 100周年記念会館 会議室
16:10~17:50 会員総会 100周年記念会館 ホール
18:00~20:00 懇親会 100周年記念会館 レストラン・紫紺
2003年10月25日(土)
9:30~15:20 共通論題シンポジウム 100周年記念会館 ホール |
10月24日(金) 10:00~16:05(報告30分,質疑10分;合計40分)
第1分科会 (100周年記念会館 第1会議室)
座長(午前):宇野 史郎(熊本学園大学)
1.10:00~10:40「日本と韓国の商店街における活性化対策に関する研究」
李 東喆 (東義大学校)
○柳 哲洙(明治大学大学院・院生)
2.10:45~11:25 「飲・食料品小売業」
馬場 雅昭(阪南大学)
3.11:30~12:10 「小売の国際化、国際比較研究の動向と課題」
渦原 実男(西南学院大学)
********** <昼食休憩 12:10~13:10(60分)> **********
座長(午後):馬場 雅昭(阪南大学)
4.13:10~13:50 「1980年代初頭の外部環境の変化とダイエーの経営戦略」
森田 克徳(静岡県立大学)
5.13:55~14:35 「卸売業における営業革新」
粟島 浩二(立命館大学大学院・院生)
6.14:40~15:20 「商店街の地域性と公共性について」
井本 正人(高知女子大学)
第2分科会(100周年記念会館 第3会議室)
座長(午前):大石 芳裕(明治大学)
1.10:00~10:40 「戦前の日本企業によるマーケティングに関する一考察(仮題)
野村 比加留(元酒田短期大学)
2.10:45~11:25 「マーケティング方法論再考(仮題)」
宮内 拓智(京都創成大学)
3.11:30~12:10 「自動車メーカーにおける情報通信技術活用と国際調達」
朴 善美(明治大学大学院・院生)
**********<昼食休憩 12:10~13:10(60分)> **********
座長(午後):斎藤 雅通(立命館大学)
4.13:10~13:50 「イオングループにおけるパートナーシップの展開」
山本 敏久(立命館大学大学院・院生)
5.13:55~14:35 「日本マーケティング史における萌芽的段階の国際化について」
柳 偉達(関西大学大学院・院生)
6.14:40~15:20 「MOTと流通マーケティング(仮題)」
藤本 武士(カリフォルニア大学バークレー校客員研究員)
第3分科会(100周年記念会館 第4会議室)
座長(午前):細川 允史(酪農学園大学)
1.10:00~10:40 「流通システム変革期における農協共販組織の再編」
○岸上 光克(大阪府立大学大学院・院生)
大西 敏夫(大阪府立大学大学院)
藤田 武弘(大阪府立大学大学院)
2.10:45~11:25 「卸売市場の再改訂をめぐる動き(仮題)」
酒井 亮介((社)大阪市中央卸売市場本場市場協会資料室)
3.11:30~12:10 「農産物直売所の実態と意義に関する考察」
行方 のな(北海道大学大学院・院生)
********** <昼食休憩 12:10~13:10(60分) **********
座長(午後):津國 実(近畿大学)
4.13:10~13:50 「青果物流通過程における機械化の進展と選果工程の諸問題」
飯沢 理一郎(北海道大学大学院)
杉村 泰彦(北海道大学大学院・研究員)
○橋本 直史(北海道大学大学院・院生)
5.13:55~14:35 「行政主導型地産地消事業の課題について」
金子 良江(酪農学園大学大学院・院生)
6.14:40~15:20 「地域農業の変容と農協共販の展開方向-北海道富良野農協を素材にして-」
宮入 隆(北海道大学大学院)
7.15:25~16:05 「条件不利地域におけるファーマーズマーケット発展の意義」
黒木 英二(広島県立大学)
第4分科会(100周年記念会館 第5・6会議室)
座長(午前):坂本 秀夫(明星大学)
1.10:00~10:40 「生協共同購入事業のマネジメント革新」
若林 靖永(京都大学大学院)
2.10:45~11:25 「特殊な食消費が規定する生産と流通の研究(仮題)
-京都の「ハモ(鱧)」需要と生産・流通の事例-」
津國 実(近畿大学)
3.11:30~12:10 「水産物卸売市場の求心力低下に関する考察」
中居 裕(東京海洋大学
********** <昼食休憩 12:10~13:10(60分)> **********
座長(午後):佐々木 保幸(大阪商業大学)
4.13:10~13:50 「食品リサイクルの課題と可能性」
○古林 英一(北海学園大学)
宿村 元邦(北海学園大学大学院・院生)
5.13:55~14:35 「携帯電話の社会的損失-生活者の視点から-」
小宮山 康朗(NHK)
6.14:40~15:20 「青果物卸売市場における生鮮食品廃棄物の発生要因」
杉村 泰彦(北海道大学大学院・研究員)
7.15:25~16:05 「WTO体制下における食品工業資本の蓄積構造に関する考察」
飯沢 理一郎(北海道大学大学院)
会員総会 16:10~17:50 (100周年記念会館 ホール)
懇親会 18:00~20:00 (100周年記念会館 レストラン・紫紺) |
【第2日目】 共通論題シンポジウム 「今日の流通と食の消費者問題」
10月25日(土) (100周年記念会館 ホール)
バブル崩壊後の日本経済は、未曾有の長期不況から今なお脱却できないだけでなく、近年は規制緩和の推進といわゆる構造改革論への固執などを背景に危機的状況に陥っている。株価(日経平均)のバブル後最安値の更新や5%を超える高失業率は端的にこれを物語っている。経済的危機は社会的危機や道徳的退廃を併発する。犯罪や自殺の激増、環境破壊の進行、街並の破壊、詐欺的商行為の蔓延などルールなき日本資本主義は国民生活を直撃している。 本学会はこれまで流通の理論研究はもとより直面する実際的課題、たとえば流通の規制緩和やグローバル化の問題などに取り組んできたが、今回は、食の流通の終点を形成する消費者の問題に焦点を当てて議論したい。 食の消費者問題は別段新しい問題でもないし、その領域も広いのであるが、ここでは、とくにわが国のBSE(牛海綿状脳症,狂牛病)発生以降顕在化した牛肉など食の安全性の問題、虚偽表示に代表される表示制度問題(成分表示・賞味期限等)、公益通報者(内部告発者)保護制度の問題などに光をあて、消費者の立場に立った制度改革への提言が期待される。 日本生協連合会が2002年 6月にまとめた調査によれば、食品表示に不信感をもつ消費者は約80%に達しており、同じく(社)中央調査社の2002年秋の調査によれば、全国の主婦の 81%が食品に不安を抱いている。残留農薬、保存料・着色料など食品添加物、遺伝子組み換え食品、原産地の表示など制度が守られない実態、消費者にとって判りにくいことも少なくない。 「日本の法律、制度、政策、行政組織は、旧態依然たる食糧難時代の生産者優先・消費者保護軽視の体質を色濃く残し」云々とは、「BSE調査委員会最終報告」の言であり、この報告を受けて「食品安全基本法」を制定し、2003年 7月には「食品安全委員会」の設置が予定されている。同委員会のメンバーに消費者代表を含めない等、依然課題は少なくない。 食の安全と表示の問題は、人間の生命・健康にとって日々必須の第一義的問題である。雪印乳業や雪印食品など大企業に端を発した食中毒事件や、とりわけ虚偽表示事件にみる悪徳商法の数々の事実は営利企業に止まらず、農協や生協にも発生して大きな衝撃となった。この問題に対して消費者運動あるいは協同組合運動がいかに取り組んできたか、また今後いかように取り組むかは、大きな関心と期待の集まるところである。 消費者を震撼させ、不信に追い込んだ今回の不祥事から教訓を引き出し、消費者の信頼を回復するためには、政・財・官が、とりわけ消費者に日々商品を販売・供給する今日の流通組織がどうあるべきか、厳しく問われなければならない。また消費者も、消費者被害の防止や消費者問題の解決のために、日々の商品購買者として、ときには参政権者として、消費者の権利の実現に向けて前進することが求められる
(「日本流通学会第17回全国大会共通論題趣意書(2003年 5月23日)」再録)。
座 長:保田 芳昭(関西大学)
座 長:辰馬 信男(中央大学)
第1報告 「食の現段階と地産地消の今日的意義」
田中 秀樹(広島大学大学院)
第2報告 「食の消費者問題-生活協同組合の対応と課題-」
杉本 貴志(関西大学)
第3報告 「食の安全性は確保されるか-食の安全・監視市民委員会の設立と活動-」
水原 博子(日本消費者連盟事務局長)
コメンテーター
第1報告に対して:木立 真直(中央大学)
第2報告に対して:久保 建夫(関西大学非常勤講師)
第3報告に対して:西村 多嘉子(大阪商業大学) |