学会賞(JSDS)

第10回 日本流通学会賞

小原 博『『日本流通マーケティング史 現代流通の史的諸相』中央経済社、
2005年11月10日刊行、本体3200円


受賞の理由 :
この著書は10章および補章から構成され,日本型マーケティングはどのようにして形成されたのかを研究の主題としている。とりわけ,「よろず屋」などにみられる日本の伝統型の小売業,リベート方式など,具体的な歴史的変遷に着目しながら,多方面にわたって丹念に分析し,次に,伝統破壊型の新たな流通業態,コンビにや大量販売小売業者に着目する。日本の流通の変化を世界からの要因,国内的要因の両面に着目しつつ解明した研究といえる。よって日本流通学会賞に値するとの結論を得た。

岩永忠康『現代日本の流通政策 小売商業政策の特徴と展開』創成社、
2004年10月25日刊行、本体2700円


受賞の理由 :
現代日本の流通システムは,経済的諸要因の変化とともに,流通政策の変化の影響下で,大きく変化を遂げつつある。その中で,本書は,世界的な環境変化の只中での日本の流通政策の変遷を体系的に解明したものである。研究水準のレベルは抜群で,日本流通学会賞に値すると結論した。

鐘 淑玲『製販統合型企業の誕生 台湾・統一企業グループの経営史』白桃書房、
2005年12月26日、本体3800円


受賞の理由 :
日本では無名に近かった「統一企業」は1967年に設立されて,78年にセブン-イレブン統一超商を導入し,台湾における最大の食品メーカーであると同時に,最大の流通グループでもあるという稀なケースであり,本書は,その形成発展の変遷プロセスを丹念に分析したものである。その学的水準は高く,著者の一貫した研究テーマの結晶であり,日本流通学会賞に値するものであるとの結論に達した。

森田克徳『争覇の流通イノベーション ダイエー・イトーヨーカ堂・セブン-イレブン・ジャパンの
比較経営行動分析』慶應義塾大学出版会、2004年10月30日刊行、本体3000円


受賞の理由 :
本書は企業間競争の覇権を競うという「争覇」という著者固有の視点を明示し,現代日本を代表する流通企業の経営行動を丹念な企業調査を行いつつ,比較した好著である。よって日本流通学会賞に値すると結論した。